小矢部市議会 会派誠流視察研修報告書

期間:令和2年2月13日(木)~15日(土)
場所:玉野市、四国中央市、新居浜市
参加者:沼田信良、石田義弘、谷口巧、藤本雅明、吉田康弘、義浦英昭、山室秀隆
    竹松豊一、加藤幸雄                  計9人

報告者 加藤幸雄
テーマ 所    感
            二月十三日(木) 岡山県玉野市
たまの版生涯活躍のまち(CCRsea)基本計画について
玉野市は人口58,798人(令和2年1月末)、人口減少と高齢者の増加による健康問題が課題である。この課題解決のため、国が進めている「生涯活躍のまち」を玉野市独自に移住者、高齢者に市民や若者、障がい者も加えた「誰もが活躍」という視点の『たまの版生涯活躍のまち』の基本計画を作成した。その基本計画について視察をする。
基本計画の目的は高齢者や移住者に加え、学び働く若者、地域住民、事業者等が活躍することで、持続的な発展ができるまちをつくることである。
計画策定に当たっては日本総研に依頼し、3か年で1億4,500万円もの予算をかけている。しかし、その半分は国からの補助金である。ハードそのものはなくすべてソフト事業である。具体的には平成28年度に基本構想策定、29年度は事業推進主体の選定と基本計画の策定、30年度は事業の具体化、事業の試行と関係団体との調整、令和元年度は事業の試行と本格実施に向けた調整として、令和2年度に事業の本格実施、自立化・自走化へと進める計画である。
具体策について
1.ローカルブランディング創出
① Webサイトの構築②地域独自の観光商品の開発③宿泊や食事を含めたパッケージツアーの開発④玉野市独自の健康食の開発
2.ヘルスケアサービス開発
①ヘルスツーリズム基幹商品個人・企業向けプログラム開発②インバウンド向けプログラム開発、宿泊型新保健指導プログラムや施設有効活用型プログラムなど
3.地方創生人材育成支援
①現場運営人材の育成②大学連携として岡山県立大学とノートルダム清心女子大学との提携
4.交流支援機能として
①ショッピングセンター内に健康サービス拠点として健康ステーション、情報発信拠点としてサイクルステーションを開設
5.医療介護支援機能
①健康づくり教室を開設
②食育、ウォーキングイベント等
6.移住支援機能
 Webサイトとの連携、空き家利活用促進など
7.今後の管理運営について
管理は総合政策課が実施するが実施部隊は各部署と企業などであり
計画通り実現できるかはこれからの課題である。素晴らしい計画に基づいてどのような事業展開になるのか、数年後の状況確認が楽しみである。

玉野市赤松総務文教委員長挨拶

 玉野市立図書館

 四国中央市石津議長挨拶

 早朝 丸亀城天守閣までランニング

四国中央市役所

二月十四日(金)  愛媛県四国中央市  地域児童見守りシステムについて  四国中央市は平成16年4月に川之江市、伊予三島市、土居町、新宮村が合併して誕生した。人口86,900人、製紙・紙加工業が盛んで日本一の出荷額を持つ。本市は高速道路のインターチェンジ3か所と2つのジャンクションを持ち高速道路の結節点でもある。四国最大規模の国際貿易港もあり、陸上、海上交通の要ともなっている。立地の良さから企業集積が進んでいると思われる。
 視察としては地域児童見守りシステムについて研修させていただく。
平成11年に総務省ユビキタスのモデル事業としてスタート、19校の内6校の1年生から3年生を対象に始める。現在は19校全校で実施している。放課後児童クラブへも拡大、25か所で利用されている。ただ、全国的には16の学校などで利用されているだけで広がっていないようである。
初期費用1億2,000万円は国からの補助で賄い、ランニングコストとして190万円/年とカードリーダーなどの費用として80万円/年ほどかかっている。他にサーバーの更新など5~6年毎に1回400万円ほど費用が掛かる。メリットについては子供の登下校が瞬時に保護者へ連絡がいく。緊急時や災害発生時には連絡や初動体制が取りやすい。
デメリットとして電波やネット情報に不備があると対応ができない。カード忘れやメールが届かなかったりすると不安が起こる可能性もある。
あれば便利なシステムであるがあまり必要性は感じられなかった。システムをもっと情報教育なども含めた高度な形に展開しないともったいないと思います。

        
二月十四日(金)  愛媛県新居浜市  障がいや発達課題のある子供への一貫した支援体制の整備について  新居浜市は人口120,000人ぐらいの工業都市であります。元禄4年頃、別子銅山が開発され鉱山都市として栄え今日に至っている。現在は住友金属や住友化学など大企業がまちを支えている企業城下町でもある。視察目的は発達障がい児の支援体制について発達支援課より説明をいただく。平成19年、市内小学校において多動の児童がおり、学級崩壊が起こった。これまではそれぞれのライフステージに合わせて個別単独にかかわってきたが、これでは障害のある子供のニーズに的確に対応できないため、平成21年教育委員会に発達支援課を創設した。支援課では医療、保健、福祉、教育、労働に係る関係機関が一体となって就学前から就労に至るまでの一貫した支援システムを構築し、子供の自立や社会参加を促すことができるようになった。組織として課長、指導主幹(学校教員)、係長(障がい福祉)、保健師2人、幼稚園教諭(就学前)など現在は16人体制となっている。発達障がいでは早期発見、早期支援が重要であり、幼児から小学校への移行時期のつなぎも大変重要である。連携のための重要ツールとして個別支援計画(サポートファイル「にっこにこ」)を作成している。サポートファイルについてはセキュリティもしっかり守り、保育園や学校の卒業時にはすべて回収している。発達障がいについては幼児期に的確に対応すれば障がいの重症化や進行が抑えられ、普通の生活が可能になるとのことであった。幼児期に早期に発見、対応を保護者や家族と共にすることで子供のよりよい成長を促すとのことであり、障がいや発達など課題のある子どもに対して一貫した体制整備が重要であると感じた。

二月一五日(土)
今治タオル美術館  今治のタオル美術館を見学、

  今治のタオル生産は日本一、但し、品質の良い高級品のみ、通常のタオルはほとんど中国産のようであります。コストではかなわないので品質で勝負している。日本の伝統産業の活きる道はコストに左右されないものか、高級品ブランド商品しかないように思いました。